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古町*『お食事処おぎ野』安くて美味しいあったかレトロ定食

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古町周辺で安くて美味しい定食屋さんを探している方に、新潟市中央区西堀通にある『お食事処 おぎ野』さんをおすすめいたします。

  • 営業時間:11時から16時くらい(現在夜は予約のみとのこと)
  • 日曜営業
  • 日替わり定食:680円
  • 食後の飲み物付き(珈琲/紅茶/オレンジジュース/カルピス)
  • ごはんのおかわりOK
  • 喫煙可

 

ぱりんこ
ぱりんこ
中々入りづらいディープな空間だけれど、驚きの安さで美味しい定食が味わえます!

 

《ここから先は、食エッセイです。お時間に余裕のある方はお読みください》

 

* * * * * *

 

この日のわたしは、朝から何も食べていなかった。

15時。

日曜定休のお店が多い古町で、中々ご飯にありつけずにいた。

 

 

店前にランチメニューが立てかけてあるお店にやっとたどり着くと、

「すみません〜〜。ラストオーダー終わっちゃったんですよ〜。」と

お兄さんに断られてしまう。

 

ガンっ

ブラックな自分が出かかって、引っ込めた。

 

 

「そうですか、わかりました」

動揺していない風を装って、お店のドアに手をかける。

なんだかみじめで、心の中では半泣きだった。

 

 

わたしは、笑いながら、泣いている。

そういうことが、現実世界では多い気がする。

 

 

再び歩き出して、フラフラしながらたどり着いたのは、お食事処 おぎ野という文字。

マジックペンでびっしりと書かれたメニューの入り口。

 

「ここでいっか。」

 

 

雑居ビルの中にあるこちらのお店は、一人で入るには中々の勇気が必要な雰囲気。

薄暗くて、サスペンスドラマに出てきそうな階段を登る。のぼる。

 

 

”とにかく何か食べたい”という時には、恥も恐怖も感じなくなることを知った。

思考停止といったところか。

怪しさ満点、店内にお客さんが一人もいないのに、堂々と入店。

メニューを決めるまでの動揺を乗り越えた先に。

「いらっしゃいませ。メニュー決めてきた???」

入店直後、ただならぬオーラを漂わせているご婦人に言い放たれる。

 

 

 

(・・・・・・・・・・!!!? )

 

 

どうやら、入り口に置いてある紙を見て、メニューを決めてくるスタイルらしい。

 

 

店の前でウンウンと悩んだ挙句、

ヒレカツ定食を選ぶ。

(とにかくお肉が食べたい…たんぱく質を体が求めているんだ)

 

 

「魚は何にする?」

ヒレカツ定食なのに、魚の種類を聞かれる、変化球。

 

 

「今日はね、赤魚か塩鯖。」

 

『じゃあ、赤魚でお願いします。』

 

そう言って、やっと着席を許される。

 

 

入り口の紙には、ハンバーグやカレー、タレカツ丼やお蕎麦など、幅広いジャンルのメニューが並んでいた。

 

 

「はい。」とコトンと無造作に置かれた麦茶。

お冷の代わりに麦茶。なんだろう、うれしい。

タイムスリップした昭和の食卓感。

日替わり(ヒレカツ)定食680円。

ヒレカツは、衣がサクサクの絶品。

カリッと歯応えを感じた後のじゅわっとお肉の甘み。

赤魚は白身ふっくら味しっかり。

ごはんは、モチモチだった。

 

食べながら、このお店を選択した自分の勝利を確信。

 

 

すべてはベストタイミングーーーー。

いばや通信というブログで、知った言葉。

本当にその通りで、一見失敗したと思うことがあって、ショックで悲しい気持ちを引きずっていても、最終的には「これでよかったんだ」と思うことが多い。

 

 

さっき、ランチをフラれたお店に感謝することにした。

この定食屋さんと出会わせてくれてありがとう、と。

ごはんのおかわりOK。「お姉さん、お腹いっぱいになったかね?」

もしゃもしゃと無言で勢いよくご飯をかきこんでいると、

 

 

お店の奥から、出てきたご主人に

「お姉さん、ごはん足りる?お腹いっぱいになったかね?まだいるなら、あっためてくるさ。」

と声をかけられる。

 

 

お言葉に甘えて、おかわりをいただいた。

「うちは、ごはんおかわりとか自由だからね。遠慮なく言って。」

 

 

もりもり山盛りごはんを2杯。

完食。

さすがに苦しい。

 

 

久しぶりに、家庭的なごはんでお腹がいっぱいになって、あったかい気持ちと体に力がみなぎってくる感覚。

 

 

お肉と魚もどちらも味わえて、ドリンク付き、ご飯おかわりOKで680円。

信じられなかった。

パンチ力強めの中に見え隠れするあたたかさ。

古町は、個性豊かで店主さんのカラーが全面に出ている小さなお店が多い。

レトロ喫茶店マニアでこれまで様々なディープ店に潜入してきたわたしでも、『お食事処おぎ野』は中々のパンチ力。

 

 

ぶっきらぼうかというと、そうではなくて、素気ないようで優しさが見え隠れする。ごはんのおかわりや、お茶を淹れる時は察してくれるけれど、あとは基本放っておいてくれる。

 

色合いがレトロかわいい。苦味強めの昔ながらの珈琲

食後のホットコーヒーをいただきながら、わたし、ご主人、ママさん?の3人で無言で競馬中継をみる。

不思議だけど、癖になる時間だった。

 

 

気がつくとご主人は、隣のテーブルでご飯を食べ始めていた。

 

 

ゆるすぎる。

とても良い。

 

 

社会で生活していると、「こうじゃなくてはだめだ」が溢れている。

疲れる。

 

 

一人暮らしだから、”食後に何をするでもなく一緒にTVをみる”なんて久しぶりだった。なんだかジーンとした。

若者(男性)2名がご来店。「大丈夫だよ」とつい声をかけたくなる。

気がつくと時刻は16時前。

20代で素朴な感じの男性2名が来店する。

 

「メニューはありますか?」と真っ当な質問をする彼に、

「メニューは、ない!!」

答えるママさん。

 

 

思わず、吹き出しそうになる。

 

 

(大丈夫、大丈夫。わたしも30分前、同じやりとりをしたからね。びっくりしたよね。君は間違っていないよ。)

 

 

30代を超えてくると、若者に対して、老婆心?のようなあたたかな気持ちで接することができるようになってくる。

(怖かったね。この状況でよくカレーとハンバーグを注文したね。すごいよ。やばいところにきちゃったと思ってるかもしれないけれど、味は美味しいから。保証する。)

 

 

そんな気持ちを念で送ろうと彼らをみたら、パッと目をそらされた。

まぁ、そうだよね。まるでわたしまでヤバイやつのようだった。

ひっそりとした隠れた名店を、発信することがわたしの喜び。

「隠れた名店ですね!」

とご主人に伝えると、

「なに言ってん。」

と笑われたけれど、本当にそう思う。

 

 

「ちゃんと栄養も考えているんだよ。肉だけ食べてもダメだから、魚もつける。野菜も食べなきゃね。一人の人はこんなの一人分作ったら大変だし高くつく。ここで食べたらいい。」

 

 

「お店は、何時から何時までやっているんですか?」と質問すると、

「大体、11時頃から16時くらいかね〜。」

「前は夜までやっていたんだけど、誰も来ないから辞めた。」

「古町の方は、まだ人が通るんだけど、西堀の方は全然人が歩いていないからね。」

「お客さんが、写真をエヌエスエスに、載せておすすめしてくれたって言うんだよ。」

と嬉しそうに話すご主人。

 

 

きっとSNS(エスエヌエス)のことだなぁ、とほっこりと思いながら、

「わたしも、載せます!!!!」と力強く即答。

 

 

そして今こうして、ブログを書いている。

”ただ、『お食事処 おぎ野』でいただいた美味しさとあたたかさを書きたい。”

”もっともっと、多くの人に知ってほしい”

という精神で、ただ感じたことを綴っている。

とても楽しい。

 

 

この記事になぜかたどり着いてしまったあなたへ。

古町周辺で安くて美味しい定食屋さんを探してたら、『お食事処おぎ野』にぜひ訪れて欲しいです。お願いです。