恋人と喧嘩した。泣き腫らした顔を、眼鏡でごまかして入店した。
純喫茶は薄暗くて隠れ家感があるから、いい。こういう時、明るいカフェに入ってはいけない。
「えーい、もうどうとでも思ってくれい!」という強気な気分を抱えて、勇足で階段を登る。でもやっぱり緊張しているせいか、呼吸が浅い。
そいやっ!と勢いでドアを開ける。カランコロ〜ンとベルが鳴った。
迎え入れてくれたママさんの感じがとてもよい。にっこりと、まろやかに包み込んでくれそうなその笑みに、トゲトゲした心が少しだけほぐれた。
メニュー
古町の喫茶店『Kaffa パルム』のチーズケーキセット
チーズケーキを一口かじると、シナモンが効いていて、胸がくすぐったくなる。
そのスパイシーさは、今のピリリッとした気分にぴったりだった。
古町の喫茶店『Kaffa パルム』のコーヒーはおいしくて、心に沁みる味
珈琲は、
- 苦味のブレンド(蒼ブレンド)
- 酸味のブレンド(紫ブレンド)
の2種類から選べる。
迷わず、苦味の蒼ブレンドを。
ママさんがネルドリップで淹れてくれた珈琲は、びっくりするほどおいしくて、心に沁みた…。
カップの中の黒い液体をのぞきこみながら、思う。
はぁ、なんで分かってくれないんだろう…
人間って、どうして分かり合えないんだろう…
古町の喫茶店『Kaffa パルム』の内装やインテリアが素敵すぎる
でも、こんなときでも、ブログ用の写真を撮ったり、メモしたりしている自分が、なんだかおかしい。
セピア色でアンティーク風な店内。
ランプの色と、形。
数ある新潟の喫茶店の中でも、インテリアはここが一番好きかもしれない…。
ねぇ…。
思い出すのは、ブロガーとしてのわたしをいつも応援してくれる彼だった。
いつもわたしの話をただひたすらに聴いてくれる人。
どうしても、この素晴らしい喫茶店について、伝えたくなった。
複雑な想いを抱えたまま、喫茶店に呼び出してみる。(一回やってみたかったんだよね)
間もなくして、入り口のベルが鳴る。
ちょっと気まずいけれど、一緒に、チーズケーキを食べる。
古町の『Kaffa パルム』は、1人でも恋人とでも。静かな時間が似合う純喫茶
なんだか、映画のワンシーンみたい…
(ごめんね、もう少ししたら許すから…)
ねぇ、このチーズケーキおいしかったから、ちょっと分けて。
(ごめんね、もう少ししたら許すから…)
この珈琲、めちゃくちゃおいしかったから、おかわりしたいんだけど…
(ごめんね、もう少ししたら許すから…)
突然、お店のBGMの音が大きくなった気がした。
もしかして、静かな店内を気にしてヒソヒソ話す私たちが話しやすいように…?
ジャズストリートの会場にもなるこのKaffa蒼紫(パルム)は、さすがに音の質がとてもいい。
美しい音楽を耳にしながら、昭和にタイムスリップして、主人公とその恋人の世界に浸れるお店。
「この珈琲、めちゃくちゃうまいね」
「でしょ?」
珈琲を飲み終えた2人は、ふふっと顔を見合わせて、お店を後にした。
(しかし、根に持つタイプなのでまだ完全には許していないご様子。)
古町の喫茶店『Kaffa パルム』の営業時間
営業時間:10時半から19時まで。(2021年4月現在)
※喫煙可能なお店のため、
タバコが苦手な方は心してご入店くださいね。
(煙が直撃してやや辛かったです)

初めてパルムさんを訪れた記事はこちら古町通の2階にひっそりとある蒼紫(パルム)さんに入ってみました。
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