カフェが好きだった。
コーヒーがあまり飲めないわたしは、カフェの何が好きか?と聞かれると難しいのだけれど、空間をゆったり味わう時間が好きだった。
訪れたカフェについての感想をブログ記事に記録として載せはじめた。写真が上手ですね、と褒められると嬉しくなって、Instagramを始めた。
一眼レフなどで上手にボケのある写真を載せている方々を前に、こんなのじゃ差別化できない!と思い、iPadで見よう見まねで文字入れしてみたりした。
そのうち、ちょこんとイラストを添えるようになり、かわいい!と言ってくれる人が増えた。そういえばわたしは、大きなイラストを絵の具などで描くのは苦手だったけれど、こうしてノートの隙間に小さな落書きをするのはいつもしていたな、と思い出す。
そのうち、アイコンを制作してほしいとお声がけいただいた時はこの上なく嬉しく、こうやって仕事って生まれるんだなぁと自分自身に感心したものだ。
わたしが好きなモチーフはコーヒーカップや、ケーキなど。ゆるい喫茶・食べ物系のモチーフのレターセットなどをついつい手に取ってしまうので、影響が大きい。
カフェのオーナーさんから手書きでイラストを描いてほしいと依頼があった時、とんでもない!わたしになんてできるわけがない!と気遅れてして怖くて怖くて仕方がなかった。
けれど、こんな機会もないと思い、頑張って描いた。結果、訪れた方が写真を撮って送ってくれたり、オーナーさんからも感謝されてとても貴重な経験をさせていただいたと思う。
だけど、燃え尽きてしまった。
なぜかわたしは、一度顔見知りになると次からそのカフェに行きづらくなるという厄介な性質をもっている。
恥ずかしい?のか、なんというのか、知り合いの知り合い、みたいな人とつながってお話しをする流れになると、無理をしないとうまく喋れない。
「はいっはいっ、そうですよね!」と張り付いた笑顔で必死に肯定するので精一杯。せっかくのドリンクの味がしない……。
そして、一人になってまた違うお店に行き直すのであった。
放っておいてくれるチェーン店はホッとする。(ただ、最近は行きすぎて顔を覚えられており、毎回レジで一言挨拶されてしまうのでこれまた行きづらい。)
大好きなお店のマスターやオーナーさんのお話を聴けるのはとても楽しいし学びになるのだけれど、コーヒー一杯じゃせいぜい1時間くらいだよね、とか、本当は窓際の席が好きだけれど、一人なんだからカウンター席に座ろう!とか、勝手にお店側の視点に立ってしまい(それも合っているのかわからない)純粋に楽しめなくなってしまった。
「好きを仕事に」ができたと思う。
でも、なんだろう、もう一つの大切な”好き”を失った気がする。
生きざまを書き残す、ライフエッセイ作家 星七えり
※この文章は、
2026年の出版を目指して書き溜めているエッセイのひとつです。
まだ完成形ではないけれど、今の気持ちの記録として、ここに置いておきます。
いつか本という形になったとき、思い出して受け取ってもらえたら嬉しいです。
▷ 全公開するのは怖い、クローズな場所で、ありのままの気持ちを書いている場所
公開しきれない下書きの気持ちや、書くことに迷っている日の記録、自己表現で生きていきたいわたしの途中記録を、エッセイとして綴っています。
ひとりは好きだけど、誰かとつながりたい。
にぎやかな場所が苦手な方に向けた、静かな居場所です。

